2016年7月5日
この資料は、アボット ラボラトリーズ社が、2016年7月5日(現地時間)に発表を行ったプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、ご参考として提供しております。オリジナル のプレスリリースの正式言語は英語であり、この内容および解釈については英語が優先となります。この資料の英文オリジナルにつきましては、以下のサイトをご参照ください。尚、Absorbは日本において未承認の製品です。
http://abbott.mediaroom.com/2016-07-05-FDA-approves-Abbotts-Absorb-bioresorbable-stent-the-only-fully-dissolving-heart-stent
- AbsorbTMは体内で溶ける素材で構成された革新的な溶ける冠動脈用ステント
- 従来の金属製ステントと同様に冠動脈疾患の治療に用いられる医療機器で、冠動脈の治癒後溶けて消失するため、血管本来の運動機能を制限するメッシュ状の異物を体内に残さない
- 革新的な溶ける本ステントは、米国での治験に登録された1,000名を含め、既に世界100ヵ国以上で15万名以上の治療実績を保有
アボットパーク、イリノイ州2016年7月5日 - アボットは、- Absorb生体吸収性冠動脈用ステント(薬剤溶出型)が米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、世界初の溶ける冠動脈ステントとして、米国での冠動脈疾患治療に用いられるようになったと発表しました。
Absorbは、冠動脈疾患の治療用医療機器として承認された世界初の完全生体吸収性の溶けるステントです。医療進歩の著しい現代においても、冠動脈疾患は世界中で主要な死因となっており、米国では1500万人もの人々が罹患しています。従来の冠動脈用ステントは金属製素材であるのに対し、アボットのAbsorbステントは生体吸収糸と同様の、体内で自然に溶解する素材構造であるため、狭くなった血管を拡げ、血管を内部から押し支える役割を果たし終えると、血管の治癒を促進させながら約3年かけてゆっくりと溶解し完全に消失します 1。一方、従来の金属製ステントは永久的に血管内に残留するため、治療を受けた血管は血管本来の運動機能が制限されます。
「Absorb生体吸収性ステントにより、冠動脈疾患の治療法が大きく発展したと言えるでしょう。」ニューヨーク州コロンビア大学メディカルセンターPresbyterian病院、Cardiovascular Research and Education, Center for Interventional Vascular Therapy部長でありABSORB臨床試験プログラムの最高責任者であるGregg W. Stone医師は述べています。「最先端技術で開発されたこの新規医療機器は、詰まった血管の治療を終えると完全に溶けて消失し治療血管内に留置物を残さないため、治療を行う医師だけでなく治療を受ける患者様にも魅力的な治療法となるでしょう。金属製の留置物が体内に残存しないということは、治療を受けた血管が、日々の生活の中で生じる様々な心臓への負荷に応じて血管の屈曲や拍動運動を可能とすることを意味します。また、金属製の留置物が血管内に残らないことで、金属製ステントに起因する血管の再狭窄の可能性を軽減することが期待されるとともに、将来的に再治療が必要となった際にも、前回の治療による金属製の留置物がないことから、治療の選択肢を広けることができるのです。」
アボットは、米国内のAbsorb治験施設となった心血管インターベンションセンターに対し、Absorb生体吸収性ステント(薬剤溶出型)を供給する計画です。
「私たちアボットの目標は、人々がいかなる環境でもより良く、健康で充実した人生を送ることができるよう、革新的な医療機器の提供を通じてサポートすることです。」アボット バスキュラー事業部のシニア バイスプレジデントであるディーパック ナス博士はさらに次のように述べています。「Absorb生体吸収性ステント(薬剤溶出型)は、体内へ金属物を永久的に残留させることなく患者様の冠動脈疾患を治療することができるため、従来の金属製ステントのような、金属物質の永久的な血管内留置という患者様の精神的な不安を取り除き、安心して日々の生活へ戻っていただくことを可能とします。米国内の患者様へAbsorbの可能性をお届けできることを大変楽しみにしています。」
世界規模で実施された臨床試験では、Absorb生体吸収性ステント(薬剤溶出型)は急性期、および中期のいずれの臨床結果においても、市場をリードするアボットの金属製薬剤溶出ステントのXIENCE™シリーズと同水準の結果を示しています。米国で実施され、2000名が登録されたABSORB III無作為化臨床試験の1年後の臨床結果では、溶けるAbsorbステントで治療を受けた患者群の中で対照血管径が2.5mm以上3.75mm以下の対象群は、心疾患関連死、ステント留置を受けた治療対象血管を原因とする心臓発作、および治療した病変の再手技(Target Lesion Failure, TLF)において、金属製のXIENCEステントによる治療を受けた患者群と同水準であるという良好な結果を示しました。
アボットのAbsorb生体吸収性ステントは、Absorb GT1 生体吸収性スキャフォールドシステム(Absorb GT1 Bioresorbable Vascular Scaffold (BVS) System)の名称で販売され、米国を含む世界100ヵ国以上で狭心症を患う15万名以上の人々の治療へ用いられています
添付文書を含むAbsorbに関する詳細情報は、www.dissolvingstent.com をご覧ください。
アボットについて
私たちアボットは、健康の力を通して人々が可能な限り最高の人生を生きることに貢献することに注力しています。125年以上にわたり、栄養剤、診断薬・機器、医療機器およびブランド ジェネリック医薬品分野において私たちは世界中で最新の製品や技術を提供しています。これらの製品や技術は、人々の人生の様々なステージで多くの可能性を創造しています。現在、私たち73,000人のアボット社員が、人々がただ長く生きるのではなく、良い生き方ができるように世界150か国以上で事業を展開しています。
アボット ジャパンについて
日本国内では、従業員約1,200人が診断薬・機器、栄養剤、そしてダイアベティスケア、 バスキュラー、ビジョンケア製品を含む医療機器に関する製造、研究、開発、流通および販売とマーケティングに従事しています。東京、千葉に主要拠点を置いています。
アボット社(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews @AbbottGlobal)も合わせてご参照ください。
問い合わせ先
アボット ジャパン広報 03-4555-1002Public_Affairs_Japan@abbott.com
1 Absorb dissolves except for two pairs of tiny metallic markers that remain in the artery to enable a physician to see where the device was placed.