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2016年6月23日

  • 僧帽弁閉鎖不全症(MR)は、高齢者に多い心臓疾患
  • 開心術をせず、患者の身体的負担の少ないカテーテルによる治療法
  • 重度の変性性僧帽弁閉鎖不全症(DMR)、または機能性僧帽弁閉鎖不全症(FMR)を有し、外科的手術困難な患者を対象に有効性と安全性を検証

2016年6月23日 —アボットは、重度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対するクリップを用いたカテーテル治療の国内臨床試験(治験機器識別記号:AVJ-514)において、予定していた症例登録を完了したことを発表しました。本治験は全国6箇所の治験実施医療機関で30名の被験者が登録され、臨床試験結果は独立行政法人 医薬品医療機器総合機構への製造販売承認申請へ用いられます。

MRは僧帽弁の弁が完全に閉じないために心臓の血液が逆流する病状で、心不全を引き起こし、やがて死に至る疾患です。MRは米国では400万人以上が罹患している一般的な病気であり、75歳以上ではほぼ10人に1人が罹病しています 。日本では心不全患者のうち半数以上がMRを有していると推定され 、年齢とともに増加する高齢者に多い疾患です。現在は開心術による僧帽弁の外科的手術が標準的治療ですが、高齢、または高齢により筋力や活動レベルが低下した虚弱状態(フレイル)、併存疾患などの理由により外科的手術を受けることのできない患者では、内科的治療で症状のコントロールにとどめ病気の進行を止めるに至らない状況にあり、国内でのMR治療に対する低侵襲治療のニーズが高まっています。

慶應義塾大学病院 循環器内科 治験責任医師の林田 健太郎 医師は次のように述べています。「国内初となるこの治療の治験に参加することができて大変光栄に思うと同時に、この治療の素晴らしさを身をもって感じることができたことに感謝します。慶應義塾大学で行われた症例を通して、これまで僧帽弁閉鎖不全症によって苦しまれていた患者さんが元気に退院されるのを目の当たりにし、この治療法の大きな効果を実感しました。Heart Teamの コミュニケーション、さらには心エコー医の役割が大きな貢献を果たし手術を成功させることができます。この画期的な治療法が、日本でも早期に使用できるよう願っています。大きな期待をHeart Team全員が寄せています。」

アボットのクリップを用いたカテーテル治療法は、外科的な開心術を必要とせずに僧帽弁逆流の改善が可能な治療法です。このカテーテル式の医療機器は、脚の血管である大腿静脈を介して心臓へ挿入されます。カテーテル先端にあるクリップを留置した後は、心臓が血液をより効率的に送り出すことを可能とするため、症状が改善し、患者のQOL改善が期待されます。 

本治験の治験調整医師である榊原記念病院 副院長・循環器内科部長の高山 守正医師は、「AVJ-514治験の被験者登録が完了したことに大きな喜びを感じます。30症例の登録にご協力いただいた治験実施医療機関の諸先生方、スタッフの皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。対象疾患の治療オプションが少ない現状の中、低侵襲のカテーテル治療の導入に大きな期待をしています。この治療を受けられた患者様が、劇的に症状が改善されるのを目の当たりにしました。この製品が日本の医療に貢献できるようになることを強く願っております。」と述べています。

本治験は、前向き、多施設共同、単群試験で、重度の変性性僧帽弁閉鎖不全症(DMR)、または機能性僧帽弁閉鎖不全症(FMR)を有し、ハートチームにより外科的手術困難と判断された患者30名を対象に、アボットのクリップを用いたカテーテルによる新規僧帽弁治療 (AVJ-514)の有効性と安全性を検証します。

アボット のワールドワイド 臨床開発部門 ディビジョナル バイスプレジデントである ゲイリー トンプソンは次のように述べています。「AVJ-514治験の治験責任医師、および6施設の治験実施医療機関のハートチームの先生、多くのスタッフ皆様のご協力により治験登録が完了したことは、非常に意義深い重要な成果です。僧帽弁閉鎖不全症を患う日本の多くの人々へこの待ち望まれた革新的な新しい治療法を提供し、輝かしい人生を送ることのできる大きな機会を届けるため、本邦での治験登録の完了は重要な第一歩となったと確信しています。」

僧帽弁閉鎖不全症について

僧帽弁閉鎖不全症(MR)は、僧帽弁の弁尖が完全に閉じないために心臓の血液が逆流する、進行性の疾患で、心不全を引き起こし、やがて死に至る疾患です。開心術による僧帽弁の外科的手術が標準的治療ですが、高齢、または高齢により筋力や活動レベルが低下した虚弱状態(フレイル)、併存疾患等の理由により多くの患者は手術を受けることができない状況にあります。

経皮的僧帽弁形成術について

MRに用いられるアボットのクリップを用いた新規カテーテル治療デバイスは、大腿部(大腿静脈)の血管から心臓へ向かって挿入されます。カテーテル先端にあるクリップが留置されると心臓は血液を効率的に送り出せるようになるため、症状が緩和され生活の質の向上が期待されます。本医療機器は、2008年に欧州でのCEマークを取得後、2013年に米国でFDA承認を取得しており、これまでに世界40カ国以上で3万人を超える人々が、アボットのクリップを用いた新規カテーテル治療デバイスによるMRの治療を受けています。

アボットについて

私たちアボットは、健康の力を通して人々が可能な限り最高の人生を生きることに貢献することに注力しています。125年以上にわたり、栄養剤、診断薬・機器、医療機器およびブランドジェネリック医薬品分野において私たちは世界中で最新の製品や技術を提供しています。これらの製品や技術は、人々の人生の様々なステージで多くの可能性を創造してます。現在、私たち73,000人のアボット社員が、人々がただ長く生きるのではなく、良い生き方ができるように世界150か国以上で事業を展開しています。

アボット ジャパンについて

日本国内では、従業員約1,200人が診断薬・機器、栄養剤、そしてダイアベティスケア、バスキュラー、ビジョンケア製品を含む医療機器に関する製造、研究、開発、流通および販売とマーケティングに従事しています。東京、千葉に主要拠点を置いています。

アボット社(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、フェイスブック(www.facebook.com/Abbott)、ツイッター(@AbbottNews @AbbottGlobal)も合わせてご参照ください。

問い合わせ先

アボット ジャパン広報 03-4555-1002
Public_Affairs_Japan@abbott.com

1 Nkomo VT, Gardin JM, Skelton TN, Gottdiener JS, Scott CG, Enriquez-Sarano M. Burden of valvular heart diseases: a population-based study. Lancet. 2006 Sep 16;368(9540):1005-11. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16980116
2 Framingham Heart Study; http://www.framinghamheartstudy.org/

5-V4.0-135-Rev.A

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