2015年5月19日
この資料は、アボット ラボラトリーズ社が、2015年5月19日(現地時間)に発表を行ったプレスリリースを日本語に翻訳再編集し、ご参考として提供しております。オリジナル のプレスリリースの正式言語は英語であり、この内容および解釈については英語が優先となります。この資料の英文オリジナルにつきましては、以下のサイトを ご参照ください。尚、Absorbは、日本において未承認の製品です。
http://abbott.mediaroom.com/2015-05-19-Abbott-Announces-CE-Mark-for-New-Advancement-of-Absorb-Stent-System-for-People-with-Heart-Disease
冠動脈疾患患者へのAbsorb使用例は100,000例を超える
アボットは米国、日本、中国でAbsorbの承認取得を目指す
パリ2015年5月19日/PRニュースワイヤ/ — アボットは新たに改良した同社のAbsorbステントシステム「Absorb GT1 ™」のCEマークを取得したことを本日発表しました。世界初の完全生体吸収性薬剤溶出ステントと次世代のデリバリーカテーテルを組み合わせたAbsorb GT1は、心疾患患者の治療にあたる医師をサポートします。3世代にわたるデリバリーカテーテルのイノベーションを経て開発されたAbsorb GT1には、アボット最新鋭のステントデリバリーシステムが搭載されています。Absorb GT1は、医師が冠動脈疾患(CAD)患者の病変を治療する際、血管病変部へのアクセスや治療を行いやすいようデザインされており、またデリバリー性能やパフォーマンスの向上を考え、デザイン上の変更や技術的な改良も加えられました。
ドイツ、エッセンのContilia Heart and Vascular Centre所長のChristoph Kurt Naber氏は以下のように述べています。「Absorb GT1のデリバリーシステムの改良により、さらに多くの冠動脈疾患患者さんの治療が可能になることでしょう。生体吸収性ステントは狭窄した動脈を拡げ血流が回復すると完全に体内で分解・吸収されるため、論理的に冠動脈疾患患者さんの治療が一歩前進すると言えるのではないでしょうか。世界の多くの冠動脈疾患患者さんの健康を、この治療法によって改善することができる可能性があります」
昨年アボットは、ABSORB II臨床試験の1年経過観察時において良好な結果を得たことを発表しました。欧州を中心に実施された同試験では、冠動脈疾患患者501名が登録され、完全生体吸収性Absorbステントの安全性および有効性に関し、市場をリードする同社の金属製薬剤溶出ステントであるXIENCEシリーズと比較した、世界初の前向き無作為化比較対照試験です。1年経過観察時において、Absorbの全般的な臨床成績はXIENCEと同等であることが示されました。
Absorbのデータは、パリで開催される心臓病専門医を対象とした学術集会EuroPCR(欧州経皮的冠動脈形成術会議)で発表されました。
アボット バスキュラー メディカル アフェアーズ部門のディビジョナルバイスプレジデント、兼最高医学責任者であり、FACC、FSCAIのチャールズ・サイモントン医学博士は以下のように述べています。「冠動脈疾患は、先進国において現在最も多い疾患です。この新しい完全生体吸収性スキャフォールドAbsorb GT1を使用すれば、これまで到達困難であった冠動脈の狭窄部を拡げられるようになり、さらに多くの冠動脈疾患患者さんの治療が可能になるでしょう。アボットは、科学的・技術的革新によって人々が健康を取り戻し、普段の生活を取り戻せるよう尽力しています。今回のAbsorbの改良によってもたらされた医療技術の革新は、より多くの方々にもたらされるでしょう。」
Absorbは世界70か国以上で現在販売されています。同社はこのほど日本でAbsorbの承認申請を終え、今後数か月中に米国および中国での承認取得に向け、主試験のデータを含む治験総括報告書を提出する予定です。同3か国は、世界の心臓ステント留置術症例数の50%以上を占めています。米国では、現時点ではAbsorbは販売されておりません。
Absorb生体吸収性薬剤溶出スキャフォールド(BVS)について
Absorbは、心臓の狭窄した動脈を拡げ、血流を回復させることにより金属製ステントと同様に機能する世界初の機器です。しかし、Absorbは柔軟性に優れ経時的に体内で分解消失する点で、血管の働きを制約する金属製ステントとは異なります。Absorbは治療した血管内に恒久的な留置物を残さないため、患者のライフスタイルや運動などの活動に応じて生じる心臓へのさまざまな負荷に合わせ、血管が屈曲したり、脈打ったり、拡張したりすることを可能とする可能性があります。1,2
アボット社のBVSには、同社のXIENCE薬剤溶出ステントに用いられている、細胞増殖抑制剤のエベロリムスが使用されています。エベロリムスはNovartis Pharma AGにより開発され、アボット社は、同剤の薬剤溶出型冠動脈治療機器への使用に関して、同社よりライセンスを取得しています。エベロリムスはその細胞増殖抑制作用により、冠動脈ステントやスキャフォールドを体内に留置した際に生じる新生内膜増殖を抑制することが示されています。
冠動脈疾患について
心疾患は男女ともに世界の死因第1位であり、なかでも最も多いのは冠動脈疾患です。3,4 心臓に血液を供給する動脈がプラークの蓄積によって細くなったり狭窄したりすると、冠動脈疾患を発症し胸痛や息切れを生じて心臓発作のリスクを増大させます。
アボットについて
アボット社は、広範囲のヘルスケアに基盤を置くグローバルヘルスケア企業であり、人々の生活を向上させるために製品や技術を開発しています。主要な事業内容は、科学的知見に基づいた診断薬・機器、医療機器、栄養剤そしてブランドジェネリック医薬品を提供しています。グループ総従業員数約73,000人を擁し、世界150カ国以上で営業活動を行っています。
アボット ジャパンについて
日本国内では、従業員約2,200人が3つの事業会社にて栄養剤、医療機器、診断薬・機器そしてビジョンケア製品を含む医薬品と医療機器に関する製造、研究、開発、流通および販売とマーケティングに従事しています。東京、福井、千葉に主要拠点を置いています。
アボット社(www.abbott.com)、アボット ジャパン(www.abbott.co.jp)、ツイッター(@AbbottNews)も合わせてご参照ください。
問い合わせ先
アボット ジャパン広報 03-4555-1002
Public_Affairs_Japan@abbott.com
1 Absorb completely dissolves except for two pairs of tiny metallic markers, which help guide placement and remain in the artery to enable a physician to see where the device was placed.
2 Preliminary evidence suggests that natural vessel function is possible with Absorb and may improve long term outcomes.
3 The top 10 causes of death, World Health Organization. June 2011
Available at: http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs310/en/index.html
4 Coronary Artery Disease. National Heart, Lung and Blood Institute. May 2011
Available at: http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/cad/